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北四番丁通信

 

「北四番丁通信」とは、仙台教会で日曜日ごとに発行している「週報」の巻頭言です。牧師および複数の教会員が執筆を担当しています。

当教会は1955年に仙台市の北四番丁沿い・旧奥州街道近くに設立されましたが、「北四番丁」という地名は、400年以上も前に城下町が造られた当初からの由緒ある地名で、江戸時代は武家屋敷が連なっていた地域でした。

歴史の流れと共に町並みも住む人々もどんどん変わっていきますが、いつの世においても変わることのない真理の言葉を、仙台教会に許されている時間の中で、たゆむことなく宣べ伝えていきたいと私たちは願っています。

福音の初め

2023年4月2日 宇都宮毅(牧師)

 皆さんにとって、福音とは何でしょう。ギリシア語の二つの単語から作られた造語エウアンゲリオン(エウ=良い+アンゲリオン=知らせ)であり、意味は良き知らせです。

 福音とはイエス・キリストが十字架に架かり、私たちに代わって罪を贖ってくださったことだと教会は語ってきました。しかし良き知らせとは時代状況や価値観が変わりゆく世界の中で、私たち一人ひとりが考えて良いものだと思います。特に東日本大震災や新型コロナウイルス感染症を経験した私たちにとってなおさらです。

 最初に福音書を書いたマルコはイエスの良き知らせを語ろうとしました。イエスの生きざま、死にざまを通して見えてくる福音です。その福音書の1章1節に書かれているのが 「神の子イエス・キリストの福音の初め」です。どこまでがその初めを表しているのか議論があるようですが、私はこの福音書すべてが初めであり、この言葉は紙芝居の「はじまりはじまり」のようなものではないかと考えています。そしてこの福音書はイエスの十字架の死、そして空の墓の中で女性たちが出会った若者の宣言、それを聞いて恐ろしくなり逃げ去った女性たちを描写して終わっています。その時、その若者が語ったのが「さ あ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。『あの方は、あなたがたより先にガリラヤ へ行かれる。かねて言われたとおり、そこでお目にかかれる』と」です。彼らにとっての 日常を指すガリラヤにイエスが復活するとはこの書物を読んだ人たちの日常にイエスの復活があり、福音が示されることが表されています。それは私たちの日常でもう一度この福音書を読むとき、福音とは何かということが見えてくることを示しているのです。日常が変化し続けています。決して福音とは何かという答えが出ているわけではありません。こ の時代に生きる私たちにとって、福音とは何か探す旅をここから始めて行きましょう。

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