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北四番丁通信

 

「北四番丁通信」とは、仙台教会で日曜日ごとに発行している「週報」の巻頭言です。牧師および複数の教会員が執筆を担当しています。

当教会は1955年に仙台市の北四番丁沿い・旧奥州街道近くに設立されましたが、「北四番丁」という地名は、400年以上も前に城下町が造られた当初からの由緒ある地名で、江戸時代は武家屋敷が連なっていた地域でした。

歴史の流れと共に町並みも住む人々もどんどん変わっていきますが、いつの世においても変わることのない真理の言葉を、仙台教会に許されている時間の中で、たゆむことなく宣べ伝えていきたいと私たちは願っています。

分かり合えなくても

2026年5月31日 松村 尚彦 さん(教会員)

 私たちが何気なく「当たり前」だと思っていることが、誰かを苦しめることがあります。例えば私たちはこの数十年の間に、性別や生き方に関する社会の「当たり前」によって、深く傷ついてきた人々がいることを知りました。
 私たちが「当たり前」と思うことが、他の人を苦しめるのは、こうした社会的に取り上げられる問題だけではありません。きっと誰でも、自分が苦しんでいるのに、他の人に「当たり前」だと素通りされ、「何で理解してもらえないのか」ともどかしさを感じたことがあると思います。私自身の例を出すのは恥ずかしいのですが、私は引っ込み思案で人と関わることが苦手です。しかし普段はそのことを話すことはないし、話したところで本当のことは理解してもらえないだろうという諦めと恐れがあります。しかしこうした恐れがあるところでは、人は本当の意味で「共に生きること」が難しくなるだろうと思います。
 私は、イエス様が社会から理解されない人々と共に生きたという話にとても惹かれます。それは社会的に弱くされた人々の解放の物語としてだけでなく、人に対して恐れをいだいていた人間が、イエス様によって恐れが取り除かれ、愛のうちに生きる勇気が与えられたという話として読むことができるからです。
 それは「理解」や「共感」とも少し違うと思います。弟子たちはイエス様のことを理解していませんでした。弟子たち同士もお互いを理解していませんでした。しかしイエス様の死後弟子たちは、この限界を乗り越える出来事を経験します。イエス様の十字架の死と復活の経験です。それによって弟子たちは、イエス様を理解していなかった自分たちに対してさえも、イエス様が愛を注いでくださっていたことを知ります。この人間の理解を超えた愛の経験を共有することによって、彼らの間に新しい共同体が生まれました。
 私たちの教会も、お互いを完全には理解できなくても、イエス様の愛によって、共に生きる共同体であり続けることが出来るようにと願っています。「わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。」(ヨハネの手紙一4章19節)

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